宇土櫓の地震前、地震後、そして今

 西大手櫓門(解体、回収して今はふとんかごに入ったグリ石のみ)から西出丸に入ると、目に飛び込んでくるのが宇土櫓です。

写真右に第一スロープがあります。このスロープで平左衛門丸に向かいます。

 

 

 今はスロープがありますが、以前は頬当御門でした。この冠木門をくぐると枡形になっていましたが、地震で石垣が崩落し、石材が通路を埋め尽くしました。

2016年4月14日 前震、4月16日 本震
2016年9月~ 石材回収
2016年12月  安全対策完了
2017年3月  スロープ完成

 

 

 第一スロープから見た宇土櫓、現在の様子です。

宇土櫓は、築城当初から現存する唯一の多重櫓です。地上3重5階、地下1階で、大天守に次ぐ規模です。

宇土櫓には続櫓が隣接していましたが、これは地震で建物が崩壊。部材の回収は2017年12月に終了しました。

 

 

 地震前、宇土櫓続櫓の石垣は冠木門をくぐり、下から見上げていましたが、今回の特別公開でスロープを歩けるので同じ様な目線で見ることができます。これはとても貴重な機会なのでしっかり見てくださいね。

石垣の奥の方は崩落したところです。石材を回収しモルタルを吹き付けています。ここは宇土櫓に目を奪われますが、時々目線を下にすると地震前とは全然違う様子が見えます。

下部にあるのが、グリ石を入れたふとんかごです。防護ネットの重しとして使っています。

 

 

丸印で囲んだ膨らみを見てください。

これも地震の被害です。石垣が膨らみ、現在は石垣の上部から下まで防護ネットをかぶせています。

 

 

 地震前の宇土櫓と続櫓です。地震前はこの建物に入ることができました。

黒光りした廊下、手斧の跡、急な階段などを実際に見て体感できました。そして最上階からの眺めは最高でした。窓から入ってくる風も気持ちがよかったです。

 

 

 

 地震後、加藤神社から見た宇土櫓です。この時点では倒壊した続櫓の部材はまだ回収されていません。応急処置として白いシートをかけて保護しています。

宇土櫓はしっかり建っていますが、内部はかなりの被害です。床が傾き、壁土が剥落。昭和2年の修理の際に補強した鉄骨の筋交いも曲がりました。

 

 

 

続櫓の部材回収のために、2017年9月に足場が設置されました。

もう今は足場は解体されたので、この様子は見られません。

 

 

 

 ここで今現在に戻ります。スロープで進んでいくと宇土櫓自体の角度も変わってきます。ここらへんに来ると天守閣が見えてくるので、そちらが気になるところですが、チラッと振り返り宇土櫓をご覧ください。

宇土櫓単体で建っているのは今だけです。ここも復旧が進めば続櫓が元に戻りますので、宇土櫓を単体で見えるのは貴重な機会を逃さないでくださいね。

 

 

第一スロープを登り切ったところに少しスペースが設けられています。混雑しているとここで立ち止まって写真が撮れないかもしれませんが、余裕があればここもしっかり見てほしいです。

 

 

 

 

地震前と今を比べると、続櫓がないのは寂しい。

ここでは「破風」にも注目してもらいたい。宇土櫓は大天守同様四面に破風を設けています。

宇土櫓は力強い直線の起り破風(むくりはふ)で、大天守は曲線美が美しい千鳥破風(ちどりはふ)と唐破風(からはふ)です。

 

今回の特別公開第一弾は天守閣には入れません。外観を見るのみです。だからこそ、天守閣や宇土櫓の外観を見える範囲で細かいところまで見ていただきたいです。

 


公開日、公開時間は熊本城特別公開のホームページをご確認ください。
https://kumamoto-guide.jp/kumamoto-castle/grand-unveiling/